ラーメン屋は経営が難しい。理由を解説します

店舗経営

こんにちは!~こなブロ~です。

もはや日本人のソウルフードになっているラーメン。

直近でのラーメン業界の市場規模は7000億円とも言われています。

ラーメン店 店舗数19264店。

※総務省統計局2012年と少し古いデータですが

“ラーメン屋でもしようか”と安易に開業を考える人も多いラーメン屋。

ラーメン屋を紐解くと非常に経営するのが難しい

開業1年で4割が閉店という現実

本日はこの理由について解説します。

手を出しやすいが失敗も多い

飲食業の中では低資金でできる

当然、立地や規模などによっても違いますが、一般的に個人で開業する場合、初期費用は1500万円前後といわれています。ざっと見積もりを上げれば。

物件取得費 300万円

内装工事費 760万円

厨房設備費 400万円

広告宣伝費 40万

合計 1500万円

初期でかかる費用はざっくりこんな感じです。脱サラや退職金でもできる範囲なので、ついつい安易に手を出してしまうのもわかります。

修業が短期間、レシピ数も少ない

和食、中華、イタリアン、フレンチ等に比べると修業期間が短く、スープに特化すれば、覚えるレシピが少ないので素人的発想で“自分でもできる”と思ってしまう。

専門的な資格も必要無し。未経験でもできる

資格も必要ないし、経験も必要ないと入口のハードルが低い事で手を出しやすくさせています。

収支管理を緻密にしないといけない

ラーメン屋に失敗した人の失敗談を聞くと

“繁盛店の売上を基準に収支予測を考えていた”

“素材へこだわってしまい、1食あたりの原価が高くなった”

“とにかく利益が出しにくい”

このような失敗談を聞きます。

こだわりが必要なラーメン。こだわると利益が出ないのもラーメン。

収支管理が極めて大切である商売です。収支管理の視点で見てみると

原価管理が非常に難しい

例えば、800円のラーメン1杯と500円のハイボール1杯の利益が同じと言われる。他の飲食と違い、ラーメン以外の高荒利の商品の売上が見込みにくい。

また原材料も年々高騰傾向にあり、スープや麺、チャーシューで国産の良い原材料にこだわればその分原価も高くなる。

原価目安が30%~35%とするならばその管理は予想以上に難しい。

損益分岐点を考えた場合、何杯のラーメンを売らないといけないのか?

その為には座席数を考え、何回転しなければならないのか?具体的な回転率を導きけても、常に行列ができている状態を考えるなど“まさに机上の空論”

水道光熱費を例にとっても醤油ベースのスープより煮込む時間が長い豚骨スープの方が水道光熱費が2倍掛かるなど繊細な部分も見えます。

その他、券売機が意外と初期費用がかかる。設備のリース代がかかるなど見えない部分も結構あるようです。

いわゆるFLRコスト管理。食材原価、人件費、賃料、その他経費の管理。利益の確保を相当緻密に計算しなければならない商売と言えます。

競合店が多い。コンビニは脅威

ラーメンは人気があるだけに個人店、チェーン店、コンビニと競合が多い。

先日、こんな話を聞きました。

“8歳の息子がラーメンが好きでよく一緒にラーメン屋に行きます”

“息子に一番好きなラーメン屋さんは?”と聞いてみると

“セブンイレブンの豚骨ラーメン”と答えたそうです。

コンビニを侮るなかれ。最近のコンビニのラーメンは繁盛店とのコラボなど相当レベルが上がっています。もはやラーメン屋だけが競合ではないのです

味のブレについても消費者の評価は厳しく、毎回同じ味でなければリピートしないという意見も多々見られます。

味のブレが少ないフランチャイズチェーン、コンビニに対抗するのは個人では相当味に対する努力が必要と思われます。

IT化。そしてAI化。マーケティング力も問われるラーメン業界

これだけ市場が大きいラーメン業界ですが、一部上場している企業はわずか3社。

幸楽苑は2003年初めてラーメン屋で一部上場を果たし、直近で458店を展開しています。

直近ではいきなりステーキに50店舗を事業転換し、経営が厳しくなっている。このように拡大と継続が難しい事も理解できます。

IT化という視点でも様々な手が打たれており、ラーメン一蘭などが有名で、女性客が入りやすく、食べる時の口元を誰にも見られない“味集中カウンター”や“消費者の心理に訴える戦略”とデジタル化を推進しているチェーンもあります。

また最近ではオンラインサロン型フランチャイズとして“人類みな麺類”などという人気店も出てきている。

現在、消費者の情報量は15年前の3000倍と言われています

今後を見据えてもラーメン業界はIT化、AI化、マーケティング力が必須の要素になると言っても過言ではありません。

三方良しの経営理念も必要

昭和から平成と商売においては

お客様のわがままをいかに実現できるかが問われてきました

令和に入り、現在は三方良しの考え

売りて良し

買い手良し

世間良し

この考えが主流になってきています。

お客様の満足だけの追求だけでは駄目という事です

当然売り手が儲からないといけない。

社会に貢献ができないといけない。

こういった観点からスープは粉末を使用、

セントラルキッチンで作ったものを運搬して使用。

寸胴はお店の雰囲気作りの飾りで置いておくだけ。

働くスタッフの事を考えて、手間暇より効率性重視。

こういった考え方の店舗も増えています。

ラーメン屋で成功するには三方良しの考えも必要なのです。

たかがラーメン、されどラーメン。

ラーメン屋で成功しようと思うと相当ハードルは高い。

言い方を変えると

ラーメン屋で成功できる人は大半の飲食では成功できると言えます。

私は今後も食べる側でいようと思います・・

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